オレンジ賛歌
20180430
幸福なことも書きたい。
夏が遠くで笑っている暑い朝だったので、果物を食べた。
裸足でシンクの前に立って、肘までぽたぽた果汁を伝わせながら食べるくだものは、どうしてこんなにおいしいんだろう。食べたそのはしから水道水で肘までを洗うのも大好き。
6個入りの大きなオレンジときたら、薄皮まで全部食べられてしまいそうなくらいに柔らかく熟れていて、私はしみじみと感謝しながらひとつと半分を独りで全部食べた。
綺麗に洗ったあとでも、指の間から背筋が伸びた香りがしている。
今私の血管は、血と水とそれからオレンジ果汁でひたひたである。
体の中心までオレンジの波が打ち寄せて、私はこの上なく幸せです。