Agriculture

畑の長い話

『キング・アーサー』人類未踏の生ビール(夏にぴったり)【映画感想】

本日のごはん:『キング・アーサー』(原題 "King Arthur: Legend of the Sword")

料理した監督:ガイ・リッチー

脚本:ガイ・リッチー、ライオネル・ウィグラム

音楽:ダニエル・ペンバートン

主演:チャーリー・ハナムジュード・ロウ、アストリッド・ベルジェ=フリスベ(なまえかっこよすぎません?)、エリック・バナエイダン・ギレン

(敬称略)

味:のどごし爽やか生ビール

おいしかったですねキングアーサー。めちゃくちゃおいしかったですね。アンクル2を求めすぎてカラッカラの喉に突如流し込まれたガイリッチー印のビールのおいしさといったらなかったですね。夏ですし。最高だよ...最高...

とりあえず、これから喉がかわいたとき、「とりあえず、キングアーサーいっとく?」みたいな存在になってしまうのは間違いないです。「別に...大好きってわけじゃないけど...」とか、「まあなんとなく」とか割とひどい扱いをされながらも、きもちよく酔っぱらうための一杯目、楽しい乾杯にはキングアーサーが選ばれるったら選ばれるんです!!以下ネタバレ!!

 

 

まず謝罪から入らせてください。
なんか...いろいろウダウダいって...観に行く遅くなって...ほんとすみませんでした...ガイリッチー先生!!!!!先生!!!おれガイリッチー先生についていくよ!!!これからもついていくよ!!!だから「おもしろい映画撮ってるつもりだけど...誰も見に行かなかったし???」などとインタビューの場でいじけずにこれからもたくさん映画を作ってくださいおねがいします。これからはぜったい初週に観に行くから!!約束するから!!「なんか予告編からおもしろさが伝わってこない」とか言って本当にごめん超おもしろかったです本当なんです

というわけで全世界的に興行収入がイマイチだったことということになりそうな悲劇の爆おもしろ映画キングアーサーです。ビールでしょ。ビールだよこれ。人類がまだビールを飲んだことがないと想定してみてほしい。夏のあっつい盛りに「なんでもいいから飲み物」って頼んだらビール出てくるわけ。でも誰もビール知らないから、「ちょww泡出てんだけどww」とか「なんか色黄色くない?大丈夫?」とかさんざん言われるわけ。飲んでみたら喉にぐっとくる飲みごたえ!つめたい!苦い!炭酸!カーーーッ!!!ってめっちゃきもちいいんだけど人類はそのきもち良さに慣れてないわけですよ。「ビール飲んだ時のきもち良さ」を快感認定してないの!まだ!!だから、「悪くないけど....うーん?」「これは...うまいのか?」っていう話になっちゃうんですよ〜〜おいしいったら〜〜。一方でシャンパン求めてきた人とかゆずサワー求めてきた人からは「うーん違うな」って言われちゃうし。それはしかたないんですよ。ビールなんだから。高級感も甘みもないんです。ビールにはビールのおいしさがあるのです。

何を言っているのかわからなくなってきましたが、私はビールことキングアーサー大好きでしたね。最初、キャメロット城にすーーーーーっっとカメラが滑って寄って行くオープニングで「ひそひそ...ひそひそ...」と音楽が始まった瞬間「あ、好き」と直感しまして、最後まで幸いにもそれはくつがえされませんでした。突っ込もうと思えばツッコミどころはたくさん、あると思いますが、私の中から「つっこみたい」という気持ちは聖剣無双とともに消し飛んだのだ。
メイジの動物瞳孔変化!象(某指輪映画とさすがにネタ被りするかなっ?って心配したかもしれないガイリッチー監督は華麗にサイズをでかくした)!!ヌタウナギの姉妹!!ドラミング!!カンフージョージ!!ジュードロウの火の玉芸とコールアンドレスポンス!!聖剣無双!聖剣無双!聖剣無双!チャリハナのちんぴらスーパーかっこいい歩き!!
とものすごい要素を兼ね備えながら映画としては意外に正統派のつくりをしているような気がします。そんなにとんでもないことばかり起こるわけじゃない。アーサーには、なんか魅力があって、ほんと主人公なんですよねえ。脇役(後の円卓)もめっっちゃ魅力的だし、ユーサー王とかマギーとかイグレイン妃とか登場回数の少ないキャラクターも、どんな人なのかうかがわせる顔立ちをしていて思わず情がうつっちゃう...。ジュードロウ氏の演じるヴォーティガンもなんか魅力的としか言いようがないですね。

おもしろいじゃんキングアーサー。
びっくりするほどおもしろいじゃん。

つまり、この映画が評価されるためには、ビールが「ビール」というジャンルを確立させているように、ガイリッチーもまた「ガイリッチー」というジャンルとして確立されるべきだと思います。シャンパンとかゆずサワーのジャンルの中で評点しようとするからうまくいかないのです。ガイリッチー映画はガイリッチー映画としておいしく飲むべき!!!そうやって真夏のすべての宴会でキングアーサーがぐいっと行かれるようになれば、きっとアンクル2も制作されるはず。そう思いませんか。